「どうして僕まであなたの学校に行くんですか?」
「いいから、いいから(^^)
それより昨日言ったこと覚えてるわね?」
「えーと、小さいままでいることと、あなた以外の人に
話しかけてはいけない」
「そうそう、それと、迂闊に胸ポケットから顔を出しちゃだめよ」
「…わかりました。それで、あなた……」
「ちょっと待って、さっきからあんた、私のこと”あなた、あなた”って!
私には”千鶴”って言う名前があるんだからね!」
「それでは、千鶴……」
「ちょっと待った、誰が呼び捨てしていいって言ったのよ!
私の方が年上なんだから”さん”とか”先輩”とかつけなさいよ!」
ったく、最近のガキは……
「……千鶴さん、昨日あの後すぐに寝てしまいましたけど
今日のテスト大丈夫なんですか?
点数が悪いと寝る所も、食べるものも、着るものも何もかもがなくなって
路頭に迷うことになるって言ってましたけど…」
「ああ、あれね、大丈夫大丈夫!!('∀`人)笑
それより、あんたは名前何て言うのよ?」
「僕は神様です」
「そうじゃなくて、名前よ名前!あんたの名前!!」
「……こうたろうです」
「ぷっ、ハハハハハ!!(*ノ∀`*)←!!('∀`人)笑
あんた、何でそんな普通なわけ」」」
「//////」
こうたろうは恥ずかしがって胸ポケットの奥に顔を伏せた。

………

「千鶴、おはよー!」
「おはよー、藍子」
「どう?少しは勉強してきたかな?」
「フフフ」
「何よその笑みは…
ついに壊れちゃった?」
「フフフフ」
「……まあいいわ。とにかくがんばんなよ」

………

カリカリカリ
試験中
教室内にはシャーペンが走る音が響く。
「こうたろう、こうたろう!」
先生にばれないよう小声で呼びかける。
ヒョコ
「何です?」
顔を出したこうたろうを指でつまみ机の上にのせた。
「わ、わ、わっ!何するんですか?!」
「この問題、どうしてもわかんないの。
お願い!教えて!!」
「えっ?……昨日申したようにカンニングは……」
「カンニングじゃないわよ!良い?!
カンニングって言うのはね、隣の人の答案用紙をチラッっと
見たり、こそこそっと隠れてカンニングペーパを見たり
したりすることを言うの!
でも、これは私がこうたろうにここで”教えてもらう”だけな
わけだからカンニングとは言わないの!わかる?」
「……!なるほど!」
(  ̄ー ̄)ニヤリ
思ったとおりこいつはバカよ!
神様だか何だか知らないけど、勉強は出来るみたいだし、
魔法みたいなこともできるし、とことん利用してやるんだから!

………

ふふ、ふふふふふふ
やったわ!どの教科もバッチリ!!
あーー、答案用紙に空白が一つもないなんて初めてだわ(T_T)
もーーーう、どうせならもうちょっと早くこうたろうと
出会ってればよかったわ(>_<)
「これでよかったんですよね?」
「んもうバッチリよb
こうちゃん最高!!」スリスリ
「や、やめてください////」
「さあ、部活行くよ!!!!」
「部活ですか?」
「そうよ!だからこうたろうはもう少しポケットの中にいてね」
「いえ、僕はこれで失礼します。千鶴さんの悩みも取れたようですので」
「待って!!」
「イテ」
ポケットから飛び出そうとしていたこうたろうを頭から押さえこんだ。
「何ですか?!」
「もうちょっと一緒にいようよ〜〜。ね!ね!!」
ものすごーく甘い声で言う。
逃がしてたまるもんですか!!危ない危ない。
「わ、わかりました」
「んーー、いい子いい子(^^)/」なでなで
「それで、部活何やってるんですか?」
「うーーん、さて何でしょ〜〜」

………

ガラガラガラ
「やっほーー」
「あ!先輩!こんにちは」
「ごめんごめん、ちょっと遅くれちゃったね」
「いえ、僕も今来たところです」
「そっ、じゃあ、早速やろっか?!」
「はい」

「部活って、将棋部だったんですね」
「そうよ」
「はい?何か言いました?」
「ん?ああ、いいのいいの
それよりどうしたのあなたの番よ」
ヤバイヤバイ、こうたろうのことを知られるわけにはいかないわ。
「んーーー、そうなんですけど……うーーーん」
「……何がいけなかったかわかる?」
「うーーーん……」
「良い?!さっきここでこうやって強引に攻めたでしょ」
「はい」
「攻めてがないからって無理やりこじ開けようとするから
苦しくなるのよ。こうゆう局面では攻めるんじゃなくて
受けに徹することね」
「なるほど……」
「さっ!もう一局行くわよ!!」
「はい、お願いします!」

………

「それじゃあねーー」
「はい、また明日」
……ヒョコ
「部員って二人だけなのですか?」
「ん?そうよ。さっきの人は小嶋君って言うの。
……こうたろうは将棋指せるの?」
「ええ、少しだけ」
「ふーん」
「でも以外でした。まさか千鶴さんが将棋だなんて。
しかもかなり強いみたいですし」
「……何か意味ありげな言い方ね(怒」
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